2009年5月29日
ブランド力強化 VS 募集力強化 連携の時代へ
投稿者:博報堂教育コミュニケーション推進室 リーダー 梅本嗣
大学におけるブランディングとは?
「大学も生き残りを賭けたブランディングの時代です」―私たちも含め、そんな認識が一般化するようになって来ました。
しかし、大学のブランド力強化の中身や目標、さらに得られる成果などとなると、実は極めて曖昧で、各大学においてもぶれてしまっているという話をよく耳にします。
(教育産業も含めてですが)基本的には、自学の存在・提供価値を相対的な観点も含め自己分析し、コンセプトやミッションステイトメントの再規定を実施することや、新しいロゴマークなどを開発し、内外に浸透、広報していくことなどが想像されるようです。
しかし現実には、学内の様々なロゴやマークの使用方法が管理されていない水準のことや、自学分析するための資料・データ不在で想像に任せた仮説での戦略が決定されるケースも多く見かけます。
「ブランド力」を構成する要素や、その客観的な評価軸・データについて、外部や一部からの提供物だけでなく、慎重に吟味していく姿勢が実は大切です。
そして、企業と異なり、トップ経営意思決定だけでなく、多様な主体の合意形成・意思共有により成立する「学校という存在」にあっては、強引なブランディング指示だけではうまく進捗しません。
事実に基づく認識の共有、学校であることの特性、などを踏まえたブランディングへのマネジメントの知恵がとても大切です。
戦略的募集広報と一口に言っても...?
一方、多くの大学、教育産業にとっていつも目の前にあるわかりやすい課題は、学生・生徒募集力の強化です。学生・生徒が減少してしまうと"負のスパイラル"に陥ってしまうからです。
従来は、「募集強化」と言えばすなわち「資料請求強化策」だったようです。少子化・学生数減少もあり、「知名度」や「興味喚起度」などが低い大学ではやっきとなって資料請求力強化にしのぎを削ることも多くありました。しかし、そうしたプロモーションだけでは募集力強化の根本的な解決にならないばかりか、大学の置かれた立場、パーセプション[=認識]の状況により、募集力の課題はいくつかのタイプに分類され、課題の本質が異なります。少し例示すれば、「知名度は十分だけど、現在のその大学の魅力や成長性が訴求できていない」タイプ、「競合する大学と両方合格した場合の選択率で劣勢が常態化した」タイプなどが挙げられます。
こうしたことに、受験生自身やそれを取り巻く影響者の意識、影響するタッチポイントのパワー、機能を勘案し、本当の戦略的募集広報を策定し、実施するチカラが競い合われるようになって来ています。
ブランド力強化と募集力強化の連携
こうした各々の戦略的広報が推進されるとともに、ブランド力強化と募集力強化を、いかに連携し、効率的・効果的な相乗効果を生み出していくか。
大学自らの組織改革、組織間連携を、上手に外部専門家の知恵を借りて、自らのチカラで実践していくことが極めて重要になって来ています。
大学をはじめとする学校、あるいは様々な民間の教育機関の改革は、最終的には日本の教育力、将来の人材づくりを左右する大きな社会テーマです。
私たちも、それを常に根底に置き、教育に関与する仕事に真摯に取り組む毎日です。
















